狩野学コラム|健康課題を施策に翻訳する

健康サービスのOEM・協業で差がつくのは、
「テーマ数」ではなく“表に出ない設計力”です

健康サービスのOEMや協業に関する相談は増えていますが、実際には「何を作れるのか」「どの形が自社に合うのか」が明確に見えていないケースも少なくありません。 だからこそ重要なのは、いきなり制作に入ることではなく、誰に何をどう届けたいのかを整理することです。 OEM・協業の価値は、完成したコンテンツそのものより、完成前の“設計図”で決まると私は考えています。

この記事でわかること
  • OEM・協業相談で最初に整理すべきこと
  • うまくいく案件と危ない案件の違い
  • OEM・協業で差がつく「対象者設計・テーマ選定・専門家設計」
  • 健康コンテンツで外せない「正しさ・親切さ・現実性」の視点
  • なぜOEMの本質は“表に出ない設計力”にあるのか

OEM・協業でよくあるのは、「勘違い」より“イメージ不足”です

健康サービスのOEMや協業の相談では、依頼側が何かを大きく勘違いしているというより、 そもそも「どんなものが作れるのか」を十分にイメージできていないケースが多いと感じています。

そのため私は、最初から「できます」「作れます」と返すのではなく、 まずは、どんな人たちに、どんな商品やサービスや情報を届けたいのかを丁寧に聞くようにしています。 そこが見えてきて初めて、「こういう形がよさそうです」「こういう専門家を組むと実現しやすいです」と提案できるからです。

健康サービスの中身設計で大切なのは、完成物の種類を先に増やすことではなく、 何を届けたいかを明確にすることだと考えています。

私が最初に整理するのは、「誰に、何を、どう伝えたいのか」です

OEM・協業相談を受けたとき、私がまず頭の中で整理しているのは、 「誰のために」「何を伝えたいのか」「何を訴えたいのか」という点です。

そのうえで、それが本当にサービス商品化できるのか、 どの専門家にどんな協力を依頼すれば形になるのかを考えます。 ウェルネスドア合同会社では、健康経営コンサルティング、セミナー・研修、専門家派遣、コンテンツ制作までを横断して支援していますが、 実際の現場でもこの“整理”が出発点になります。

企画や制作の前に、この設計図をどこまで描けるかが、その後の質を大きく左右します。

うまくいく案件と危ない案件の違いは、最初の解像度にあります

うまくいきやすい相談
どういう商品・サービスを作りたいのか、どんなメッセージを持たせたいのかが、相談時点である程度明確になっているケースです。 そうした案件は、こちらもフォローしやすく、建設的に議論を深めながら良い形に育てていきやすいです。
注意が必要な相談
ヒアリングを重ねても、作りたいものの輪郭がなかなか定まらないケースです。 何を一番届けたいのかが曖昧なまま、コンテンツの種類や量だけを増やそうとすると、制作段階でもリリース後でもズレが起きやすくなります。

OEM・協業で差がつくのは、対象者設計とテーマ選定、そして専門家の組み方です

私の感覚では、OEM・協業で差がつくのは、 単にテーマをたくさん用意することではなく、 「誰に届けるのか」「何を伝えるのか」に合わせて対象者とテーマを設計し、 それに最適な専門家をどう組むかという部分です。

同じ“健康”という言葉でも、一般従業員向けなのか、管理職向けなのか、 高年齢労働者向けなのか、会員サービス利用者向けなのかで、必要なメッセージはまったく変わります。 当然、必要な専門家も変わります。

だからこそ、対象者設計とテーマ選定、そして専門家のキャスティングまで含めた設計が、 OEM・協業では大きな差になります。

健康コンテンツ設計で、私が外せないのは「正しさ」「親切さ」「現実性」です

健康情報や健康サービスを届けるにあたって、科学的・医学的根拠に基づいていることは前提です。 ただ、それだけでは十分ではありません。

私が大切にしているのは、その設計やサービス自体が、 お客様にとって親切か、現実的か、丁寧な提案になっているかということです。

理想論としては正しくても、実際には費用や手間がかかりすぎて実行が難しいこともあります。 だからこそ、受け取る側が「これならできそうだ」「確かに大切そうだ」と思える、 現実的な提案になっているかを重視しています。

情報を盛り込みすぎると、実は価値が伝わりにくくなることがあります

30分の動画や1時間の研修を設計する際、依頼側としては「できるだけ多くの情報を入れたい」と考えやすいものです。 いろいろなニーズに応えられるように、できるだけ多くを盛り込みたくなる気持ちはよく分かります。

ただ、受け取る側からすると、情報量が多すぎることは必ずしも親切ではありません。 むしろ「結局何が一番大事だったのか」が見えにくくなり、迷いや不安を増やしてしまうことがあります。

だから私は、1つのコンテンツで伝えるメッセージは1つ、多くても2つまでに絞ることを大切にしています。 複数のメッセージが必要なら、最初からシリーズ化を前提に設計した方が、結果として伝わりやすくなります。

設計が価値になるのは、“自然に続けられる流れ”まで描けたときです

たとえばフィットネス系の動画コンテンツを大量に制作した案件では、 初級編・中級編・上級編と段階的に難易度が上がる構成を設計しました。 ここで大事だったのは、単に強度が上がることではありません。

初級編を実践していくと、中級編・上級編に必要な体力、柔軟性、フォーム、知識が自然と身につくように設計し、 視聴者が無理なくレベルアップできる流れをつくることに価値がありました。

また、サロンのリニューアルに伴う新規フィットネスプログラム開発では、 既存サービスとの親和性を意識し、新しいプログラムが“異物”ではなく、 既存サービスの延長線上に自然に溶け込むように設計することを大切にしました。

OEMの本質は、表に出ない設計力にある

OEM・協業で本当に差が出るのは、 完成したコンテンツそのものより、その前にある設計です。

どのお客様に何を届けるのか。 どのメッセージを一番立てるのか。 どの専門家を組むのか。 どの表現なら伝わり、どの表現は使わない方がよいのか。

それを、専門的に正しいだけでなく、ユーザー目線で、現実的に、無理なく受け取れる形にできるか。 OEMの本質は、まさにこの“表に出ない設計力”にあると私は考えています。

まとめ

健康サービスのOEM・協業は、表に見えるテーマ数やコンテンツ量だけで差がつくわけではありません。 むしろ本当に差が出るのは、その前段階にある整理、設計、翻訳、専門家の組み方です。

だからこそ、完成物の前に、誰に何を届けるのか、何を一番伝えるのか、どうすれば現実的に受け取れるのかを丁寧に描くことが重要です。

私は、OEM・協業の相談を受けたときほど、完成したコンテンツの前に、 その設計図を一緒に描くことを大切にしています。 それが、結果として長く使えるコンテンツや、現場でちゃんと機能するサービスにつながると考えています。

執筆・監修:狩野 学

ウェルネスドア合同会社 代表/健康経営実装アドバイザー。 約18年間、フィットネス・スポーツ領域で現場支援に携わった後、2018年より法人向け健康サービスを本格展開。 現在は、健康経営コンサルティング、健康セミナー、動画・eラーニング、OEM・協業支援などを通じて、 企業・団体の健康課題を“実装可能な施策”へ翻訳する支援を行っています。

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健康サービスのOEM・協業は、前提整理からご相談いただけます

「どんな形のコンテンツが作れるのか整理したい」「誰に何を届けるべきか、前提から相談したい」という段階からでも対応可能です。 完成物の前に、設計図を一緒に描くところからご相談ください。

補足
本コラムは、狩野学の実務視点をもとに、健康サービスのOEM・協業で差がつく設計の考え方を整理したものです。
健康テーマの一般解説ではなく、設計・翻訳・実装・協業の視点から構成しています。