EXPERT INSIGHT ─ 令和6年 国民健康・栄養調査 × 健康経営

【2026年最新】日本人の健康データ完全ガイド
年代・男女別で見える
"いま本当に気をつけたい健康課題"

4年ぶりの拡大調査で揃った最新データを「数字」と「背景」の両面から読み解き、
一人ひとりの健康づくりと企業の健康経営施策に活かせるポイントを整理します。

📊 令和6年(2024年)国民健康・栄養調査

COVID-19後 初の拡大調査(2026年1月公表)

9.6g

食塩摂取量/日
目標 7g

258.7g

野菜摂取量/日
目標 350g

56.0%

睡眠時間確保率
約半数が不足

14.8%

喫煙率
過去最低水準

出典:厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査 結果概要」(2026年1月公表)

健康統計データは、次の一歩を決めるための「地図」

── 数字を「自分ごと化」してはじめて意味を持つ

💬 狩野 学|ウェルネスドア合同会社 代表

「自分の健康状態は、世の中の平均と比べてどうなのだろう?」──健康診断の結果や日々の生活習慣を振り返るとき、そう感じたことはないでしょうか。

令和6年(2024年)はCOVID-19によるイレギュラーを経て4年ぶりの拡大調査が実施され、食塩・野菜・運動・睡眠・喫煙・飲酒・糖尿病の最新データが揃いました。大切なのは、単に数字を見ることではなく、どの年代に、どのような課題が集中しているのかを知り、自分や組織の健康づくりに活かすことです。

法人向け支援の現場では、このデータを使って「御社の従業員は全国平均と比べてどうか?」という問いを立てることが、健康経営の起点になっています。

KEY POINTS

この記事の注目データ

食塩・野菜・運動・睡眠・喫煙・飲酒・糖尿病──
6つの領域から日本人の「立ち位置」を最新データで整理します。

🍽️

食塩9.6g・野菜258.7g

目標値にはまだ遠い。「減らす」と「増やす」の同時改革が必要です。

😴

睡眠確保56.0%

「休養はとれている」と感じても、客観的な時間が足りていない人が約半数。

🩺

糖尿病 約1,100万人

強く疑われる者は継続増加。成人の約6人に1人が糖尿病またはその予備群。

CHAPTER 1 ─ 体格

肥満だけではない。
若年女性のやせ、高齢者の低栄養

── 体格データは「対象者に合わせた施策設計」の出発点

BMIによる区分では、日本人の適正体重は60.7%。一方で、肥満(BMI≧25)は25.3%やせ(BMI<18.5)は約10%と、両極の課題が共存しています。特に男性では働き盛りの年代で肥満が多く、女性では若年層のやせや高齢期の低栄養傾向にも注意が必要です。

34.0%

20〜60代男性の肥満

20.2%

40〜60代女性の肥満

16.6%

20〜30代女性のやせ

19.5%

65歳以上の低栄養傾向

健康づくりでは、「体重を減らすこと」だけでなく、適正体重を維持できているかをみる視点が重要です。

📝 実務メモ:健康経営の文脈では、肥満・メタボ対策に注目が集まりがちですが、若年女性のやせ(摂食障害・低出生体重児のリスク)高齢者の低栄養(フレイル・転倒骨折のリスク)も見逃せません。体格データは「対象者に合わせた施策設計」の出発点です。

CHAPTER 2 ─ 食生活

塩分過多と野菜不足
「減らす」と「増やす」の同時改革

── 日本人の食生活の2大課題を最新データで可視化する

食塩摂取量の平均値は9.6gで、この12年間で最も低い値ではあるものの、健康日本21(第三次)の目標である7gを上回っています。野菜摂取量は平均258.7gにとどまり、目標の350gには届いていません。さらに果物摂取量も男性70.4g、女性84.7gと少なく、目標200gとの差は大きい状況です。

指標 現状(令和6年) 目標(健康日本21) 乖離
食塩摂取量 9.6g/日 7.0g/日 +2.6g
野菜摂取量 258.7g/日 350g/日 −91.3g
果物摂取量 78.1g/日 200g/日 −121.9g
バランスの良い食事 52.8% 60%以上 −7.2pt

塩分を減らすことはもちろん大切ですが、それだけでは不十分です。野菜や果物をしっかり摂ることは、食物繊維やカリウム、ビタミンの確保につながり、日々のコンディション維持にも役立ちます。忙しい人ほど、まずは「主食・主菜・副菜をそろえる」、そして「1食に野菜を1皿追加する」といった現実的な工夫から始めるのが効果的です。

📝 改善のヒント:食塩は「漬物・味噌汁・麺類のつゆ」からの摂取が大半。「減塩味噌を使う」「汁は半分残す」だけでも−1g近い効果があります。野菜は「毎食あと一皿」が合言葉。コンビニのカット野菜やミニサラダ1パック(約80g)を足すだけで、目標に大きく近づきます。

CHAPTER 3 ─ 身体活動

運動習慣と歩数
30〜40代が「谷底世代」

── 働き盛り世代の運動習慣が最も低い構造的課題

38.5% / 31.5%

運動習慣者(男性/女性)

7,763 / 6,495

1日の歩数(男性/女性)

⚠ 30〜40代

働き盛りが運動習慣最低層

「運動習慣がある」と答えた割合は全体で約35%。一定の運動を続けている人は増えつつありますが、特に30〜40代の働き盛り世代は、育児・仕事の多忙さを背景に運動習慣者が最も少なく、歩数も低下する傾向にあります。

ジムやウォーキングだけが健康づくりではありません。デスクワーク中心の生活では、1日の歩数が少なくなりやすく、運動習慣があっても活動量全体が不足することがあります。「運動しているか」だけでなく「座りすぎていないか」にも注目が必要です。

📝 企業ができること:就業時間内のウォーキングイベント、昼休みの短時間エクササイズ、階段利用キャンペーンなど、「ついでに動く」仕組みがポイント。WHOは週150分の中強度運動を推奨していますが、まずは「+1,000歩/日」から始めるのが現実的です。

CHAPTER 4 ─ 睡眠

休養感と睡眠時間のギャップ
「眠れているつもり」の落とし穴

── 約23ポイントのギャップが示す「隠れ睡眠不足」

79.6%

「休養がとれている」と回答

56.0%

睡眠時間が十分に確保できている

「休養はとれている」と感じている人は約8割。しかし客観的な睡眠時間で見ると十分に確保できている人は56.0%にとどまり約23ポイントのギャップが存在します。つまり、「寝た感じはするが、量としては十分でない」人が相当数いることがわかります。

特に40代男性・50代女性が最も睡眠不足の傾向です。忙しい働き盛り世代では、睡眠が削られやすく、休養感も低下しやすい傾向があります。

「早く寝るのが難しい」場合でも、まずは就寝前のスマホ時間を短くする起床時刻を大きくずらさない朝の光を浴びるといった行動が、睡眠の質とリズムの改善につながります。

📝 実務メモ:厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6〜8時間を目安としています。睡眠不足はプレゼンティーイズムの主要因の一つであり、生産性損失への影響はメンタルヘルス不調と同等以上とする報告もあります。

💡 専門家の視点:データは「地図」である

健康統計データは、「世の中の平均を知る」ためだけのものではありません。自分の健康状態を客観的に把握し、次の一歩を決めるための「地図」です。法人向け支援の現場では、このデータを使って「御社の従業員は全国平均と比べてどうか?」という問いを立てることが、健康経営の起点になっています。

CHAPTER 5 ─ 喫煙・飲酒

改善傾向だが
高リスク層は残る

── 「減ってきた」ことと「十分に低い」ことは違う

14.8%

喫煙率(過去最低)

13.9% / 9.3%

リスク飲酒(男性/女性)

⚠ 40代男性

喫煙率まだ高い層

現在習慣的に喫煙している者の割合は、全体で14.8%、男性24.5%、女性6.5%。全体としては過去最低の14.8%まで低下しましたが、40代男性は依然として高い水準を維持しています。

生活習慣病のリスクを高める「リスク飲酒」(純アルコール60g/日超 ≒ ビール500ml×3本相当)の割合は男性13.9%、女性9.3%。飲酒は「量」と「頻度」の両面から見直す必要があり、特に女性は少量でも健康影響を受けやすいことが知られています。女性のリスク飲酒は増加傾向にあり、新たな健康課題です。

⚠️ 注意:喫煙率や飲酒習慣が改善傾向にあるのは前向きな変化です。ただし、健康経営や予防の視点では、平均値だけでなく「どの年代に高リスク層が残っているか」を見ることが重要です。40代男性の喫煙率、女性のリスク飲酒増加傾向は、施策のターゲティングにおいて見逃せないポイントです。

CHAPTER 6 ─ 糖尿病

「1,100万人」
増え続ける国民病

── 成人の約6人に1人が糖尿病またはその予備群

糖尿病が強く疑われる者

約1,100万人

継続増加傾向

可能性を否定できない者

約700万人

減少傾向

合計約1,800万人、すなわち成人の約6人に1人が糖尿病またはその予備群に該当します。「可能性を否定できない者」は減少傾向にあるものの、「強く疑われる者」は増加が続いており、早期発見・早期介入の重要性がますます高まっています。

糖尿病は進行すると、網膜症、腎症、神経障害に加え、動脈硬化による脳卒中や心筋梗塞のリスクも高まります。人工透析の年間コストは約500万円/人。企業の健保組合にとっても、糖尿病の重症化予防は最も費用対効果の高い施策の一つです。

💡 専門家の視点:データは「自分ごと化」してはじめて意味を持つ

すべてを一度に変える必要はありません。「塩分を少し減らす」「野菜を一皿増やす」「1日1,000歩多く歩く」──小さな行動の積み重ねが、将来の差になります。企業の健康経営においても、このデータを「自社の従業員の現状と比較する材料」として使うことで、「なぜこの施策が必要なのか」を説得力をもって伝えることができます。

DATA TABLE

健康日本21(第三次)
主な目標値との比較

── 現状値と目標値のギャップから、優先課題を読み取る

指標 現状値 目標値 達成度
食塩摂取量 9.6g/日 7.0g/日 ▲ 要改善
野菜摂取量 258.7g/日 350g/日 ▲ 要改善
歩数(全体平均) 約7,100歩 8,000歩 ◆ やや改善
運動習慣者の割合 約35% 40% ◆ やや改善
睡眠時間確保 56.0% 60% ◆ やや改善
喫煙率 14.8% 12% ◆ やや改善
リスク飲酒 11.4% 10% ◆ やや改善

出典:厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査 結果概要」/「健康日本21(第三次)」目標一覧(令和6〜17年度)

SUMMARY

データは「自分ごと化」して
はじめて意味を持つ

日本人の健康課題は「一部の人だけの問題」ではなく、
食事・運動・睡眠・嗜好品のバランスの崩れとして多くの人に広がっている。

01

塩分を減らす

汁は半分残す
減塩味噌を使う

02

野菜を増やす

毎食あと一皿
カット野菜でOK

03

+1,000歩歩く

階段を使う
こまめに立つ

04

スマホを閉じる

就寝前30分
睡眠の質を改善

すべてを一度に変える必要はありません。
小さな行動の積み重ねが、将来の差になります。
健康統計は、世の中の平均を知るためだけのものではなく、
自分や職場の課題を客観的に把握し、次の一歩を決めるための「地図」です。

自社の健康データを、
全国平均と比較してみませんか?

無料ベンチマーク診断で、貴社の健康課題の「現在地」を可視化します。
健康経営の第一歩は「比較して気づく」ことから。
データに基づく健康課題の見える化と改善支援を行っています。

※ 相談は無料です | テーマ・時期・対象者が未定でもご相談いただけます

📚 関連コラム・サービス

エキスパートインサイト

「見えないコスト」は
年間7.6兆円

生産性損失とROIを最新データで可視化。

詳細を見る ▶
エキスパートインサイト

健康経営KPI
完全ガイド

戦略マップ×効果検証でKPI設計を。

詳細を見る ▶
エキスパートインサイト

食事摂取基準
2025年版

7つの改定ポイントと食事改善のヒント。

詳細を見る ▶
サービス

法人向け
健康セミナー

食事・運動・睡眠・メンタルヘルスなどテーマ別に設計。

詳細を見る ▶
サービス

業種別おすすめ
健康セミナー

業種別の課題と健康施策の選定ガイド。

詳細を見る ▶
サービス

サービス・料金
一覧

セミナー・研修・健康支援の料金体系をご確認いただけます。

詳細を見る ▶

SUPERVISOR

狩野 学(かりの まなぶ)

ウェルネスドア合同会社 代表。約18年間フィットネス・健康分野で活動し、2018年より法人向け健康経営支援を開始。「データに基づく健康経営施策の設計」を強みとし、食生活改善・運動習慣づくり・メンタルヘルス対策を一気通貫で支援。

【免責事項】本記事は、健康に関する一般的な情報提供を目的としています。健康状態の評価や治療の必要性は、年齢、既往歴、生活環境などによって異なります。健康診断結果に不安がある場合や、症状がある場合は、医療機関や専門職へご相談ください。

【主な情報源・参考文献】
・厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査 結果概要」(2026年1月公表)
・厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査報告
・厚生労働省「国民健康・栄養調査
・厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」
・厚生労働省「健康日本21(第三次)」目標一覧(令和6〜17年度)
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023
・国立健康・栄養研究所「日本人の食事摂取基準(2025年版)の活用に関する資料」
・経済産業省「健康経営の推進について」(令和7年3月更新)