令和6年 国民健康・栄養調査

【2026年最新】日本人の健康データ完全ガイド
── 年代・男女別で見る"いま本当に気をつけたい健康課題"

📊 この記事の注目データ

  • 令和6年 国民健康・栄養調査(4年ぶり拡大調査)の最新データに基づく
  • 食塩 9.6g/日(目標7g)、野菜 258.7g/日(目標350g)── まだ遠い目標値
  • 睡眠時間が十分な人は 56.0% ── 約半数が睡眠不足
  • 糖尿病が強く疑われる者 約1,100万人 ── 継続増加
  • 喫煙率 14.8% ── 過去最低水準も40代男性はまだ高い

「国民健康・栄養調査」は、日本人の健康状態・栄養摂取・生活習慣の実態を明らかにする、厚生労働省による最大規模の定期調査です。

令和6年(2024年)はCOVID-19によるイレギュラーを経て4年ぶりの拡大調査が実施され、食塩・野菜・運動・睡眠・喫煙・飲酒・糖尿病の最新データが揃いました。
この記事では、最新データを「数字」と「背景」の両面から読み解き、一人ひとりの健康づくり、そして企業の健康経営施策に活かせるポイントを整理します。

KEY FIGURES ── 今の日本人の「立ち位置」

9.6g

食塩摂取量/日
目標 7g

258.7g

野菜摂取量/日
目標 350g

56.0%

睡眠時間確保率
約半数が不足

14.8%

喫煙率
過去最低水準

1 体格

肥満だけではない。若年女性のやせ、高齢者の低栄養

BMIによる区分では、日本人の適正体重は60.7%。一方で、肥満(BMI≧25)は25.3%やせ(BMI<18.5)は約10%と、両極の課題が共存しています。

34.0%

20〜60代男性の肥満

20.2%

40〜60代女性の肥満

16.6%

20〜30代女性のやせ

19.5%

65歳以上の低栄養傾向

注目すべき「両極化」:健康経営の文脈では、肥満・メタボ対策に注目が集まりがちですが、若年女性のやせ(摂食障害・低出生体重児のリスク)高齢者の低栄養(フレイル・転倒骨折のリスク)も見逃せません。体格データは「対象者に合わせた施策設計」の出発点です。

2 食生活

塩分過多と野菜不足 ── 「減らす」と「増やす」の同時改革

日本人の食生活の2大課題は、食塩の過剰摂取野菜・果物の摂取不足です。

指標 現状(令和6年) 目標(健康日本21) 乖離
食塩摂取量 9.6g/日 7.0g/日 +2.6g
野菜摂取量 258.7g/日 350g/日 −91.3g
果物摂取量 78.1g/日 200g/日 −121.9g
バランスの良い食事 52.8% 60%以上 −7.2pt

改善のヒント:食塩は「漬物・味噌汁・麺類のつゆ」からの摂取が大半。「減塩味噌を使う」「汁は半分残す」だけでも-1g近い効果があります。野菜は「毎食あと一皿」が合言葉。コンビニのカット野菜やミニサラダ1パック(約80g)を足すだけで、目標に大きく近づきます。

3 身体活動

運動習慣と歩数 ── 30〜40代が「谷底世代」

38.5% / 31.5%

運動習慣者(男性/女性)

7,763 / 6,495

1日の歩数(男性/女性)

⚠ 30〜40代

働き盛りが運動習慣最低層

「運動習慣がある」と答えた割合は全体で約35%。特に30〜40代の働き盛り世代は、育児・仕事の多忙さを背景に運動習慣者が最も少なく、歩数も低下する傾向にあります。

企業ができること:就業時間内のウォーキングイベント、昼休みの短時間エクササイズ、階段利用キャンペーンなど、「ついでに動く」仕組みがポイント。WHOは週150分の中強度運動を推奨していますが、まずは「+1,000歩/日」から始めるのが現実的です。

4 睡眠

休養感と睡眠時間のギャップ

79.6%

「休養がとれている」と回答

56.0%

睡眠時間が十分に確保できている

「休養はとれている」と感じている人は約8割。しかし客観的な睡眠時間で見ると十分に確保できている人は56.0%にとどまり約23ポイントのギャップが存在します。特に40代男性・50代女性が最も睡眠不足の傾向です。

ポイント:厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6〜8時間を目安としています。睡眠不足はプレゼンティーイズムの主要因の一つであり、生産性損失への影響はメンタルヘルス不調と同等以上とする報告もあります。

💡 専門家の視点:データは「地図」である

健康統計データは、「世の中の平均を知る」ためだけのものではありません。
自分の健康状態を客観的に把握し、次の一歩を決めるための「地図」です。

法人向け支援の現場では、このデータを使って
「御社の従業員は全国平均と比べてどうか?」
という問いを立てることが、健康経営の起点になっています。

5 喫煙・飲酒

改善傾向だが高リスク層は残る

14.8%

喫煙率(過去最低)

13.9% / 9.3%

リスク飲酒(男性/女性)

⚠ 40代男性

喫煙率まだ高い層

全体の喫煙率は過去最低の14.8%まで低下。しかし40代男性は依然として高い水準を維持しています。飲酒については、生活習慣病のリスクを高める「リスク飲酒」(純アルコール60g/日超 ≒ ビール500ml×3本相当)の割合は男性13.9%、女性9.3%。女性のリスク飲酒は増加傾向にあり、新たな健康課題です。

6 糖尿病

「1,100万人」── 増え続ける国民病

糖尿病が強く疑われる者

約1,100万人

継続増加傾向

可能性を否定できない者

約700万人

減少傾向

合計約1,800万人、すなわち成人の約6人に1人が糖尿病またはその予備群に該当します。「可能性を否定できない者」は減少傾向にあるものの、「強く疑われる者」は増加が続いており、早期発見・早期介入の重要性がますます高まっています。

💡 専門家の視点:データは「自分ごと化」してはじめて意味を持つ

すべてを一度に変える必要はありません。
「塩分を少し減らす」「野菜を一皿増やす」「1日1,000歩多く歩く」
── 小さな行動の積み重ねが、将来の差になります。

企業の健康経営においても、このデータを「自社の従業員の現状と比較する材料」として使うことで、
「なぜこの施策が必要なのか」を説得力をもって伝えることができます。

まとめ:健康日本21(第三次)主な目標値との比較

指標 現状値 目標値 達成度
食塩摂取量 9.6g/日 7.0g/日 ▲ 要改善
野菜摂取量 258.7g/日 350g/日 ▲ 要改善
歩数(全体平均) 約7,100歩 8,000歩 ◆ やや改善
運動習慣者の割合 約35% 40% ◆ やや改善
睡眠時間確保 56.0% 60% ◆ やや改善
喫煙率 14.8% 12% ◆ やや改善
リスク飲酒 11.4% 10% ◆ やや改善

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執筆・監修

狩野 学(かりの まなぶ)

ウェルネスドア合同会社 代表。約18年間、フィットネス・健康領域で現場支援に携わった後、2018年より法人向け健康経営支援を本格展開。「データに基づく健康経営施策の設計」を強みとし、食生活改善・運動習慣づくり・メンタルヘルス対策を一気通貫で支援。

【参考文献・出典】

  • 厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」(2026年1月公表)
  • 厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」
  • 厚生労働省「健康日本21(第三次)」目標一覧(令和6〜17年度)
  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
  • 国立健康・栄養研究所「日本人の食事摂取基準(2025年版)の活用に関する資料」
  • 経済産業省「健康経営の推進について」(令和7年3月更新)

旧コラム:2025年最新版

2026年3月22日現在|令和6年 国民健康・栄養調査 反映版

【2026年最新版】日本人の健康データを専門家が徹底解説
年代・男女別で見える“いま本当に気をつけたい健康課題”とは?

「自分の健康状態は、世の中の平均と比べてどうなのだろう?」——健康診断の結果や日々の生活習慣を振り返るとき、そう感じたことはないでしょうか。

厚生労働省の最新の「令和6年 国民健康・栄養調査」からは、日本人の食事、運動、睡眠、喫煙、飲酒などに関する“健康のリアル”が、より鮮明に見えてきます。大切なのは、単に数字を見ることではありません。どの年代に、どのような課題が集中しているのかを知り、自分や組織の健康づくりに活かすことです。

このコラムでは、2026年3月時点で公開されている最新の公式統計をもとに、今の日本人にとって重要な健康課題を、わかりやすく整理して解説します。

まず押さえたい「最新データの要点」

● 食塩摂取量:平均 9.6g/日(男性10.5g、女性8.9g)
→ 目標値7gより依然として高い状態です。
● 野菜摂取量:平均 258.7g/日(男性268.6g、女性250.3g)
→ 目標の350gには届いていません。
● 平均歩数:男性 7,763歩、女性 6,495歩
→ 身体活動量には依然として改善余地があります。
● 睡眠:適正な睡眠時間が確保できている者は 56.0%
→ “眠っているつもり”でも、十分ではない人が少なくありません。

1.体格:肥満だけではない。若年女性のやせ、高齢者の低栄養も重要課題

最新調査では、20歳以上全体でみると、適正体重の者は60.7%、肥満の者は25.3%でした。特に男性では働き盛りの年代で肥満が多く、女性では若年層のやせや、高齢期の低栄養傾向にも注意が必要です。

“太りすぎ”と“やせすぎ”の両方が課題

健康課題というと肥満に目が向きがちですが、実際には20〜30代女性のやせ、そして65歳以上の低栄養傾向も見逃せません。体格の課題は、年代や性別によってまったく違う形で現れます。

健康づくりでは、「体重を減らすこと」だけでなく、適正体重を維持できているかをみる視点が重要です。

2.食生活:塩分はまだ多く、野菜と果物はまだ少ない

食生活では、依然として「塩分過多」と「野菜不足」が大きな課題です。食塩摂取量の平均値は9.6gで、この12年間でみると最も低い値ではあるものの、健康日本21(第三次)の目標である7gを上回っています。

一方で、野菜摂取量は平均258.7gにとどまり、目標の350gには届いていません。さらに果物摂取量も、男性70.4g、女性84.7gと少なく、目標の200gとの差は大きい状況です。

“何を減らすか”と同時に、“何を増やすか”が重要

塩分を減らすことはもちろん大切ですが、それだけでは不十分です。野菜や果物をしっかり摂ることは、食物繊維やカリウム、ビタミンの確保につながり、日々のコンディション維持にも役立ちます。

忙しい人ほど、まずは「主食・主菜・副菜をそろえる」、そして「1食に野菜を1皿追加する」といった現実的な工夫から始めるのが効果的です。

3.身体活動:運動習慣は改善しても、“日常の活動量”はまだ足りない

運動習慣のある者の割合は、男性38.5%、女性31.5%でした。一定の運動を続けている人は増えつつありますが、日常生活における活動量を示す歩数では、まだ課題が残ります。

20歳以上の平均歩数は、男性7,763歩、女性6,495歩です。歩数の目標値は7,100歩であり、男性は上回る一方で、女性は届いていません。また、年齢や生活スタイルによって大きな差がある点も重要です。

“運動しているか”だけでなく、“座りすぎていないか”にも注目

ジムやウォーキングだけが健康づくりではありません。デスクワーク中心の生活では、1日の歩数が少なくなりやすく、運動習慣があっても活動量全体が不足することがあります。階段を使う、こまめに立つ、移動で歩くなど、日常の中の活動が重要です。

4.睡眠:休養感はあっても、“必要な睡眠時間”が足りない人が多い

最新調査では、睡眠で休養がとれている者の割合は、男性80.4%、女性78.9%でした。一見すると悪くないように見えますが、別の指標を見ると注意が必要です。

健康日本21(第三次)で重視される「睡眠時間が十分に確保できている者(20〜59歳は6〜9時間、60歳以上は6〜8時間)」の割合は、全体で56.0%にとどまっています。つまり、“寝た感じはするが、量としては十分でない”人が相当数いることがわかります。

睡眠は“時間”と“休養感”の両方を見る

忙しい働き盛り世代では、睡眠が削られやすく、休養感も低下しやすい傾向があります。睡眠不足は、集中力、メンタルヘルス、食欲、生活習慣病リスクにも影響するため、健康づくりの優先順位を上げる価値があります。

「早く寝るのが難しい」場合でも、まずは就寝前のスマホ時間を短くする起床時刻を大きくずらさない朝の光を浴びるといった行動が、睡眠の質とリズムの改善につながります。

5.喫煙・飲酒:数字は改善しても、働き盛りにはまだ高リスク層が残る

現在習慣的に喫煙している者の割合は、全体で14.8%、男性24.5%、女性6.5%でした。全体としては減少傾向にありますが、男性の40〜50歳代では依然として高い水準です。

また、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合は、男性13.9%、女性9.3%でした。飲酒は「量」と「頻度」の両面から見直す必要があり、特に女性は少量でも健康影響を受けやすいことが知られています。

“減ってきた”ことと、“十分に低い”ことは違う

喫煙率や飲酒習慣が改善傾向にあるのは前向きな変化です。ただし、健康経営や予防の視点では、平均値だけでなく、どの年代に高リスク層が残っているかを見ることが重要です。

まとめ:データは“自分ごと化”してはじめて意味を持つ

今回の最新データから見えてくるのは、日本人の健康課題が「一部の人だけの問題」ではなく、食事・運動・睡眠・嗜好品のバランスの崩れとして、多くの人に広がっているという現実です。

ただし、すべてを一度に変える必要はありません。まずは、塩分を少し減らす野菜を一皿増やす1日1,000歩多く歩く寝る前のスマホ時間を減らすなど、小さな行動の積み重ねが将来の差になります。

健康統計は、世の中の平均を知るためだけのものではなく、自分や職場の課題を客観的に把握し、次の一歩を決めるための“地図”です。最新データをうまく使いながら、無理のない健康づくりを進めていきましょう。

データに基づく健康課題の見える化と改善支援を行っています

健康づくりは、気合いや根性ではなく、現状を正しく把握して対策することが重要です。
ウェルネスドアでは、最新の公的データや科学的根拠をもとに、企業・団体向けの研修、セミナー、健康経営支援をご提供しています。

【免責事項】
本記事は、健康に関する一般的な情報提供を目的としています。健康状態の評価や治療の必要性は、年齢、既往歴、生活環境などによって異なります。健康診断結果に不安がある場合や、症状がある場合は、医療機関や専門職へご相談ください。

【主な情報源】

・厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査 結果概要」
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_66279.html

・厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査報告」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/eiyou/r5-houkoku_00002.html

・厚生労働省「国民健康・栄養調査」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kenkou_eiyou_chousa.html

※本コラムは、2026年3月22日時点で確認できる最新公表資料に基づいて作成しています。

保存版|日本の健康統計データ。
年代・性別で見る生活習慣の平均値まとめ【厚生労働省調査より】

この記事のポイント

  • 厚生労働省の最新公式調査に基づく、日本人の健康に関する詳細データがわかる
  • 肥満、血圧、睡眠、運動、食生活、喫煙、飲酒、歯科検診など主要項目を完全網羅
  • 特に健康リスクが高まる年代とその背景にある生活習慣がデータから客観的に理解できる
  • ご自身の健康状態を見直し、具体的な改善策を考えるための信頼できるガイドになる

「自分は平均と比べてどうなのだろう?」

健康診断の結果や日々の生活習慣について、ふとそう感じたことはありませんか。今回、厚生労働省が発表した最新の「令和5年 国民健康・栄養調査」の公式データをもとに、現代日本の「健康のリアル」を徹底的に解き明かしていきます。

これからご覧いただくのは、単なる統計データではありません。私たち一人ひとりの生活が映し出された鏡です。この鏡にご自身の姿を映し、生活習慣を客観的に振り返るための完全ガイドとしてご活用ください。


1. 体格:肥満・やせ・高齢者の低栄養という3つの課題

健康の土台となる体格(BMI)です。肥満だけでなく、若年女性の「やせ」や高齢者の「低栄養」も深刻な問題です。

【男女別:肥満者・やせの者の割合】

肥満者(BMI≧25)の割合:
男性: 31.5%
女性: 21.1%

やせの者(BMI<18.5)の割合:
男性: 4.4%
女性: 12.0% (特に20-30代女性では20.2%)

【性別・年代別:肥満者(BMI≧25)の割合】

年代 男性 女性
20-29歳 23.2% 11.8%
30-39歳 30.2% 12.4%
40-49歳 34.3% 19.0%
50-59歳 34.8% 24.3%
60-69歳 35.0% 25.0%
70歳以上 29.0% 22.2%

(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.34)

Q. 体格について、特に注意が必要な世代は?A. 肥満は男性40-60代、女性60代でピークを迎えます。一方で20-30代女性はやせすぎ高齢者(特に女性)は低栄養傾向が顕著です。

【詳細分析】

男性は現役世代である40代から肥満が急増し、60代でピークを迎えます。加齢による基礎代謝の低下に加え、運動不足や食生活の乱れが重なることが原因と考えられます。
女性はライフステージごとに課題が異なります。20-30代の約2割が「やせ」に該当し、栄養不足による健康障害が懸念されます。65歳以上の高齢者、特に女性(22.4%)では、筋力や活力が低下する「フレイル」に繋がる「低栄養傾向(BMI≦20)」が大きな問題です。


2. 生活習慣病の指標:血圧・血糖・コレステロール

次に、自覚症状が出にくいものの、放置すると深刻な病気に繋がる生活習慣病の3つの重要指標(血圧・血糖値・コレステロール)を見ていきましょう。

【血圧:収縮期血圧140mmHg以上の者の割合】

男性: 27.5%
女性: 22.5%

【分析】

男女ともに約4人に1人が高血圧に該当します。特に女性は令和元年から比較して有意に減少しており、健康意識の高まりがうかがえます。高血圧は塩分の過剰摂取や肥満、運動不足が主な原因です。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.37)

【糖尿病:「糖尿病が強く疑われる者」の割合】

男性: 16.8%
女性: 8.9%

【分析】

ヘモグロビンA1cの値が6.5%以上、または治療中の者を対象としています。特に男性の割合が高く、年齢と共に上昇します。70歳以上の男性では26.2%に達し、4人に1人が該当する計算です。食生活の乱れや運動不足が血糖値の上昇に直結します。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.36)

【脂質:血清総コレステロール240mg/dl以上の者の割合】

男性: 10.1%
女性: 23.1%

【分析】

コレステロール値は女性、特に閉経期以降に高くなる傾向が顕著です。女性ホルモンの減少が脂質代謝に影響を与えるためと考えられています。男性の約2倍以上の女性が基準値を超えており、注意が必要です。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.38)


3. 食生活:野菜不足と塩分過多、崩れる栄養バランス

体を作る基本である食事。現代日本人は「野菜不足」「塩分過多」そして「栄養バランスの乱れ」という3つの課題を抱えています。

【野菜摂取量:1日の平均値】

男性: 262.2 g
女性: 250.6 g

【分析】

国の目標値350gに対し、全世代で大幅に不足しています。特に20代は男女ともに最も摂取量が少なく(男性230.9g、女性211.8g)、深刻な野菜不足です。外食や単品食べの習慣が影響していると考えられます。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.40)

【食塩摂取量:1日の平均値】

男性: 10.7 g
女性: 9.1 g

【分析】

国の目標値7gを全世代で大幅に超過しています。特に60代男性(11.1g)で最も高くなります。和食に多い醤油や味噌、漬物や麺類の汁などが主な原因で、自覚のないまま過剰摂取しているケースが多く見られます。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.39)

【栄養バランス:主食・主菜・副菜が揃った食事の頻度】

1日2回以上、毎日食べている人の割合
男性: 45.7%
女性: 47.1%

【分析】

栄養バランスの取れた食事を毎日実践できている人は、男女ともに半数以下に留まります。特に若い世代ほどその割合は低く、20代男性では27.8%まで落ち込みます。忙しさや面倒臭さが主な妨げとなっており、手軽な単品食べへの偏りが懸念されます。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.41)


4. 身体活動・運動:意識と実態のギャップ

健康維持に不可欠な運動。意識的に運動する習慣と、日常生活での歩数という2つの側面から見ていきます。

【運動習慣者の割合】

(1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している者)
男性: 36.2%
女性: 28.6%

【性別・年代別:運動習慣者の割合】

年代 男性 女性
20代 26.5% 14.5%
30代 23.5% 16.9%
40代 30.1% 17.9%
50代 25.6% 27.4%
60代 35.7% 30.0%
70代以上 46.5% 36.5%

(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.46)

Q. 最も運動しておらず、かつ歩数も少ない世代は?A. 運動習慣は男性30代(23.5%)、女性20代(14.5%)で最低です。また、1日の平均歩数は高齢になると大きく減少し、特に70歳以上の女性は4,419歩に留まります。

【詳細分析】

運動習慣は、仕事や育児で多忙な20〜30代で著しく低下し、リタイア後の高齢層で回復するという「V字型」の傾向が顕著です。一方、1日の平均歩数(男性6,628歩、女性5,659歩)は、この10年間で男女ともに有意に減少しています。特に高齢者は歩数が大きく落ち込み、身体機能の低下が懸念されます。意識的な運動と日常生活での活動量の両方を確保することが重要です。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.47)


5. 睡眠:「サンドイッチ世代」を襲う睡眠負債

心身の回復に不可欠な睡眠ですが、多くの人が十分な時間を確保できていません。

【男女別:睡眠時間が6時間未満の人の割合】

男性: 38.5%
女性: 43.6%

【性別・年代別:睡眠時間が6時間未満の人の割合】

年代 男性 女性
20代 39.2% 40.8%
30代 46.0% 45.3%
40代 51.9% 51.6%
50代 48.1% 52.4%
60代 39.9% 45.9%
70代以上 23.2% 25.6%

(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.48)

Q. 日本で最も睡眠時間が短いのはどの世代ですか?A. 男女とも40代・50代です。この世代の約半数が6時間未満の睡眠しか取れておらず、特に50代女性(52.4%)は半数以上が該当します。

【詳細分析】

40代・50代の「睡眠クライシス」は極めて深刻です。職場で重責を担い、家庭では子育てや親の介護に直面する「サンドイッチ世代」と重なり、睡眠時間が犠牲になっています。睡眠不足は単なる眠気だけでなく、集中力の低下、免疫力の低下、うつ病や生活習慣病のリスクを増大させます。この世代の睡眠確保は、個人の問題だけでなく、社会全体の生産性に関わる重要課題です。


6. 嗜好品:特定の世代に残る喫煙と増加する女性の飲酒リスク

喫煙・飲酒の状況です。喫煙率は全体的に減少傾向ですが、特定の世代では依然として高い水準です。飲酒については、女性のリスクが高まっています。

【習慣的喫煙者の割合】

男性: 25.6%
女性: 6.9%

【性別・年代別:習慣的喫煙者の割合】

年代 男性 女性
20代 20.6% 5.2%
30代 29.9% 8.7%
40代 33.4% 10.1%
50代 31.5% 11.7%
60代 28.5% 7.1%
70代以上 16.2% 2.3%

(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.50)

Q. 喫煙・飲酒で特にリスクが高いのはどの層ですか?A. 喫煙は40代男性(33.4%)で最も高く、リスクの高い飲酒は男性が40代(23.6%)、女性が50代(14.6%)でピークを迎えます。

【リスクの高い飲酒者の割合】

(1日あたり純アルコールで男性40g以上、女性20g以上の者)
男性: 14.1%
女性: 9.5%

【詳細分析】

喫煙率は全体として減少傾向にあるものの、30代から50代の男性では依然として約3人に1人が喫煙者という高い水準です。仕事上のストレスなどが背景にあると考えられます。
飲酒については、40代男性でリスクの高い飲酒が突出しています。一方でより注目すべきは女性の飲酒リスクの高まりで、この10年で割合が有意に増加しています。女性は男性よりアルコールの影響を受けやすく、少量でも健康リスクを高めるため、社会的な認識が必要です。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.49)


7. 歯科検診:予防意識の高まりと世代間ギャップ

体の健康の入り口である口腔ケア。定期的な歯科検診の受診状況はどうなっているでしょうか。

【過去1年以内の歯科検診受診率】

男性: 54.8%
女性: 62.4%

【性別・年代別:過去1年以内の歯科検診受診率】

年代 男性 女性
20代 38.3% 50.3%
30代 50.3% 57.0%
40代 49.9% 62.3%
50代 49.2% 61.2%
60代 62.8% 68.8%
70代以上 61.7% 63.9%

(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査 P.54)

Q. 歯科検診を最も受けていないのはどの世代ですか?A. 男女ともに20代(男性38.3%、女性50.3%)です。受診率は年齢とともに上昇し、60代でピークを迎えます。

【詳細分析】

全体として歯科検診の受診率は過去に比べて増加しており、予防意識の高まりがうかがえます。特に女性は全ての年代で男性より受診率が高い傾向にあります。
一方で、若い世代ほど受診率が低いという課題も明らかです。「歯が痛くなってから行く」という意識が根強いことや、仕事や学業で忙しく、後回しになりがちな現状が考えられます。歯周病は糖尿病や心疾患など全身の健康に影響を及ぼすことが知られており、若いうちから定期的な検診を習慣づけることの重要性が増しています。


まとめ:データという客観的な鏡を、未来のために

ここまで詳細なデータと分析を見てきて、ご自身の状況と重なる部分はありましたか。これらの数値は、今の日本の、そして私たち自身の姿です。課題が集中しやすい働き盛りの世代も、これからその年代を迎える若い世代も、この客観的なデータを「自分ごと」として捉えることが、より良い未来への第一歩となります。

まずは一つのデータに注目し、改善の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。その小さな選択が、明日の、そして10年後のあなたを確実に変えていくはずです。

この記事の監修者

狩野 学 (Manabu Karino)

ウェルネスドア合同会社 代表
アメリカスポーツ医科学会認定トレーナー (ACSM-CPT)
企業や個人向けに、専門的な知見に基づいた健康経営支援、栄養指導、フィットネスプログラムを提供。科学的根拠に基づいた、継続可能な健康ソリューションを提案している。

【データソースの最終確認】
本コラムで紹介した数値は、主に厚生労働省が2024年(令和6年)に公表した「令和5年 国民健康・栄養調査」の結果に基づいています。これらは、本稿作成時点(2025年9月)で利用可能な最新の公式統計データです。

HEALTH REPORT Vol.2

データで見る「働き盛り」の健康危機:
食事・運動・睡眠のリアルと処方箋

「時間がない」は本当か?最新の国民健康・栄養調査が浮き彫りにした、
現代人のライフスタイルの課題と解決策


健康診断の結果を見て「来年こそは」と思った経験はありませんか?
厚生労働省が発表した「令和5年 国民健康・栄養調査」の結果からは、仕事や家庭に忙しい世代ほど、健康の3大要素(食事・運動・睡眠)が疎かになっている実態が浮かび上がってきました。
今回は、データに基づく現状分析と、忙しい毎日でも実践できる「健康への投資」について解説します。

1. 食事:「野菜不足」の若者と「塩分過多」の大人たち

身体を作る基本となる食事。しかし、データは「目標値との大きな乖離」を示しています。特に野菜摂取量の世代間格差は深刻です。

【年代別:1日あたりの平均野菜摂取量】

(目標値:350g)

年代 男性 女性
20代 233.9g 214.3g
30代 258.6g 227.1g
40代 261.2g 232.4g
50代 287.4g 273.8g
60代 315.7g 309.2g

Q. 忙しくて自炊できません。どうすれば?A. 「プラス一皿」を意識しましょう。コンビニのサラダ、お惣菜のきんぴらごぼう、野菜ジュース(砂糖不使用)でも構いません。まずは現状に「小鉢ひとつ分(約70g)」を足すだけで、平均値に大きく近づきます。

【詳細分析】

若い世代ほど野菜摂取量が少なく、60代と比較すると1日あたり約80g〜100gもの差があります。一方で、見落としがちなのが「食塩摂取量」です。目標値(男性7.5g未満、女性6.5g未満)に対し、実際は男性10.9g、女性9.3gと大きく超過しています。「野菜を増やしてカリウムを摂り、余分な塩分を排出する」ことは、高血圧予防の観点からも全世代に共通する重要課題です。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査)

2. 運動:リモートワーク時代の「歩数格差」

「今日は一歩も外に出なかった」。そんな日が当たり前になっていませんか?働き盛り世代の運動不足が顕著になっています。

【1日の平均歩数】

男性全体: 6,465歩
女性全体: 5,527歩

【運動習慣のある者の割合】

※1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続している割合

年代 男性 女性
20代 22.5% 16.8%
30代 20.1% 12.5%
40代 19.8% 15.4%
50代 23.4% 20.2%
【詳細分析】

最も運動習慣が低いのは男女ともに30代〜40代です。仕事や育児に追われるこの世代は、意識的に時間を作らなければ運動不足に陥ります。特にデスクワーク中心の場合、歩数が3,000歩未満になるケースも珍しくありません。エレベーターではなく階段を使う、最寄り駅まで歩くなど、日常生活の中に「活動」を組み込む工夫が必要です。

3. 睡眠:40・50代が抱える深刻な「睡眠負債」

「寝る間を惜しんで働く」ことが美徳とされたのは過去の話。今は睡眠不足が生産性を下げ、健康リスクを高めることが科学的に証明されています。しかし、現実は過酷です。

【1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合】

年代 男性 女性
30代 36.5% 38.2%
40代 48.3% 44.1%
50代 45.2% 48.7%

Q. 睡眠不足は何が問題ですか?A. メンタルヘルスと体重に直結します。睡眠による休養が十分にとれていない人は、生活習慣病のリスクが高いだけでなく、食欲を増進させるホルモンが増え、肥満になりやすいことが分かっています。

【詳細分析】

40代男性と50代女性の約半数が、睡眠時間6時間未満という危機的な状況です。仕事の責任が増す時期であり、女性の場合は更年期障害などの影響で睡眠の質が低下しやすい時期とも重なります。 睡眠時間の確保が難しい場合は、「寝る前のスマホをやめる」「入浴で体を温める」など、せめて「睡眠の質」を高める行動を最優先事項にする必要があります。
(出典: 令和5年 国民健康・栄養調査)


まとめ:現代人を蝕む「時間貧乏」に抗うために

食事、運動、睡眠。これら全てのデータから浮かび上がるのは、「働き盛り世代の時間のなさ」です。しかし、健康は失ってからでは取り戻すのに何倍もの時間とコストがかかります。

完璧を目指す必要はありません。「コンビニ弁当にサラダを足す」「エスカレーターではなく階段を使う」「寝る1時間前は照明を落とす」。
この小さな「時間の投資」が、10年後のあなたの最大の資産になります。

この記事の監修者

狩野 学 (Manabu Karino)

ウェルネスドア合同会社 代表
アメリカスポーツ医科学会認定トレーナー (ACSM-CPT)
企業や個人向けに、専門的な知見に基づいた健康経営支援、栄養指導、フィットネスプログラムを提供。科学的根拠に基づいた、継続可能な健康ソリューションを提案している。

【データソースの最終確認】
本コラムで紹介した数値は、主に厚生労働省が公表した「令和5年 国民健康・栄養調査」等の結果に基づいています。これらは、本稿作成時点(2025年9月)で利用可能な最新の公式統計データです。